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電圧12V=容量100%、電圧0V=容量0%??
乾電池で車のエンジンは始動できる?
イグニッションを OFFにしておけば、バッテリーはあがらない?
 
電圧12V=容量100%、電圧0V=容量0%??
 
自動車用 12Vバッテリーは、容量が 100% 時(満充電時)の電圧は 12.0V ではありません。正確には ODYSSEYバッテリーの場合、電圧は 12.84V です。他のバッテリーも 12.8V 前後が一般的です。では 12Vバッテリーの電圧が 6V になった場合、容量は 50% か? 答えは "いいえ"です。電圧 6V の時は「深放電」といい、かなり深刻な放電状態となります。では、いったい何ボルトでバッテリーとしては "空っぽ(0% 容量)" になるのでしょうか? 実際には電圧 11.6V(ODYSSEY)で 0% 容量となります。一見、"電圧 12V = 容量 100%、電圧 0V = 容量 0%" とカン違いしやすいですが、正しくは "電圧 12.84V = 容量 100% 電圧 11.6V = 容量 0%" となります。
 
乾電池で車のエンジンは始動できる?
 
乾電池(電圧1.5V)を直列に8個つなげば、同じ自動車用バッテリーと同じ電圧 12V になるので、うまくすればエンジンの始動ができるのでは? あるいは、乾電池では容量が小さいのでエンジンの始動はできないけど、スタータが一瞬グッと回るのでは? と考えたことはありませんか? 答えは "いいえ" です。実際にはスタータは全く回らずに乾電池は完全に放電してしまいます。自動車用バッテリーと同じ電圧 12V であるにもかかわらず、なぜこのような違いがあるのでしょう? これは内部抵抗の違いによる差から発生します。内部抵抗とは電池内部の抵抗のことです。内部抵抗が大きい乾電池の場合、電流が流れ始めると電圧降下が大きくなるので、逆に外部に電流を流す端子での電圧は小さくなり瞬間のパワーがなくなります。乾電池の内部抵抗 0.5Ω、自動車用バッテリーの内部抵抗 0.01Ω、スタータ(負荷)0.1Ωを接続し、起電力がわかりやすいように両方とも電圧 12V にした場合、図のように端子電圧が大きく異なります。乾電池ではスタータに加わる電圧が 2V でしかなく、一方自動車用バッテリーのスタータへの加わる電圧は 10.9V となり大きな差がでます。このことから、内部抵抗が低いバッテリーは放電効率がすぐれているといえ、エンジンの始動性に大きく影響を与えます。
 
イグニッションを OFFにしておけば、バッテリーはあがらない?
 
自動車のイグニッションキーを OFF状態も、実は少量の電気が流れています。これはテレビのリモコン操作を受信するために流れている待機電流に似ています。車両の場合は、時計、コンピュータのバックアップなどで電流が使われ、最近ではセキュリティ関連でさらに流れる量が増える傾向にあります。一般的な車両では 30mA(0.03A)がイグニッション OFF時でも流れているといわれています。ここで標準的なバッテリー(34B16L/R)を使用していたとすると、容量は 24Ah(5時間率)となりますので 24Ah(容量)÷ 0.03A(電流)÷ 24(時間/1日)= 33.33 日となり、約1カ月間車両を動かさないとバッテリーの容量をほぼ 100% 使用してしまうことになります。実際には1カ月経過する前に容量低下によりエンジンの始動が難しくなると予想されます。また ODYSSEYバッテリー LB680 の場合、容量は 17.0Ah(20時間率)ですので、17Ah(容量)÷ 0.03A(電流)÷ 24(時間/1日)= 23.61 日となり、いくら放電特性が優れているとはいえ、1カ月間乗らないとやはり始動に問題が発生する可能性が高いでしょう。あまり乗らないお車では、充電器によるこまめな補充電やバッテリー端子からケーブルを外すなどの対策をすることがバッテリーをあがらせないコツといえます。